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狼羊ふるもっふメモ 犬科編

オオカミさん
 モデル:ハイイロオオカミの中でシンリンオオカミと呼ばれる亜種。個体によって毛色は違う。この狼さんの場合全体的に灰色だが、よく見ると白や赤茶や黒がごちゃごちゃ混じっている。両目の下の黒っぽい半月模様がトレードマーク。
 冬期に社会的な群れ(パック)を作ることで知られる。オオカミはさまざまなボディランゲージを示して仲間と会話し、それゆえに踊っているようにも見える。冬以外の季節では単体で暮らすこともある。意外となつっこく、カメラマンのカメラをくわえてトコトコ逃げていったという事例がある。
 オオカミほど人間に愛され、かつ憎まれてきた野生動物はいない。畏怖の対象であると同時に、家畜を襲う害獣として駆逐され続け、いくつかの亜種が絶滅に追い込まれたが、現在生態系におけるオオカミの役割が見直され、イエローストーン国立公園などでオオカミを再導入する試みが行われている。
 関連するエピソード:オオカミを最も観察し、文芸にあらわしたナチュラリストにシートンがいる。シートン動物記、及びシートン動物誌にはたびたびオオカミについてのエピソードが登場する。個人的に一番悲しいと思ったのは、あるオオカミが隠しておいた獲物をいたずらして横取りしてみたら、そのオオカミが仲間を連れてきて戻ってきて、それなのに獲物がなくなっているので、オオカミは誤解されて仲間にリンチされて殺されてしまうというエピソード。そういうわけで、ロビンがオオカミを描くときはなんとなくうらぶれた顔になっている。
 日本で「大神」すなわち「オオカミ」と呼ばれてきたものは、すでに絶滅したニホンオオカミである。オオカミの眉毛には真実を見抜く力があると言われる。不幸な男がひょんなことから狼にもらった眉毛をかざして通る人をながめてみると、真人間は自分と物乞いの男だけであとは皆化け物だった、という話が杉浦日向子の『百物語』に収録されている。漏れなつ。の峻くんちの本家が非常に由緒がある、という描写がされているので、多分神官の家系とかそんなんだと思う。
 関連する詩句:「狼は子羊と共に宿り…(イザヤ書11章)」「リウ・リウ・チウ、岸辺の羊飼いは叫ぶ、神が我らの子羊を狼から守りたもうた…(スペイン民謡)」
 パーソナルデータ:基本的に穏和で我慢強く、誠実。「飼い慣らされた狼」。先頭に立つよりも、リーダーの傘下で無心に働くことに安心感を覚えるタイプ。別にマゾではないので、苛烈なカリスマ帝王よりは慈悲深い君主を望む。意外と福利厚生充実なライオンさんの下は結構好き。ひつじになぜかやたらと慕われてもてあましているが、実はまんざらでもない。
 何かハプニングがあったとき、特に理由もないのに一番割を食うのは毎回オオカミさん。薄幸そうな顔つきがサド心を刺激するのか、穏和な気質がわざわいするのか、ていうか単になめられてるのか、誰かしらにいいようにおもちゃにされることが多い。一番ひどい目に遭わせてくるのは狐なので、彼に遭遇することを怖がっている。
 狼王ロボなどは大層な贅沢をしていたらしいが、狼さんはそこまでこだわりはないので、チーズでも豆腐でもなんでも食べる。
 衣装のコンセプトはユニクロ。たまにしまむらとヨーカドー。

キツネさん
 モデル:ヨーロッパのアカギツネ。カップうどんとは何の関係もない。犬科で唯一、瞳が縦に長い。真っ白な襟毛と、ふさふさした金色のしっぽがご自慢。犬や狼に比べてかなりマズルが細い(細面)。意外な特技に木登りと水泳がある。
 普通は単独で猫に近い暮らしをするが、犬のように集団で生活するという事例も確認されている。基本的に雑食で、果物類も好き。遊び好きで、餓死の心配のない地域では狩りを「楽しみ」として見ていることがあり、足りなかった場合は死肉や昆虫などで補っても構わない。要するに好き嫌いがない。みごとな黒毛を持つ個体を生ずることがあり、これは銀ギツネと呼ばれる。
 父親が比較的子育てに参加する珍しい動物でもある。発情期、オス達は何匹かのメスを渡り歩いたあと、それぞれ適当なメスの巣穴に戻ってくる。群れを作る動物は、自分の子を優先させるために前のオスが残した子を殺す「子殺し」を行うが、キツネのオスは必ずしも自分の子でなくともかわいがる。
 関連するエピソード:日本でもそうだが、中国やヨーロッパ、或いは世界中で、狐はある意味で注目される特殊な存在であった。狐は弱者であると同時に狡猾で、人間を出し抜くこともあれば味方することもある、いたずら好きのトリックスターであり、定位置を持たない。
 関連する詩句:
 パーソナルデータ:狼羊シリーズ随一の跳ねっ返り。特定の伴侶を持たない遊撃キャラ。男にも女にも見える程度の美形(ロビンの画力じゃそうは見えないだろうが)。バイセクシャルという設定らしいが、ロビンはそっち方面が描けないので一生曖昧。狼の甥という設定は「狐物語」のルナールとイザングランから取ってきた。理由は不明だが、とにかくオオカミさんをひどい目に遭わせることに情熱を燃やしている。おじさんが苦しんでるのを見ると喜びを感じる真性サディスト。慇懃無礼。
 衣装のコンセプトは軍服。「砂漠の狐」からちょっと連想しただけで別に深い意味はない。気が向けば他の服も着たりする。女装もバッチコイ。

メスイヌさん
 モデル:アジア地域によくいる、細身の柴犬系雑種。「牝狗」という当て字をされるが、大型のイヌは「犬」で小型のイヌは「狗」である、という分類に基づく。まろ眉、白面、手足としっぽの先が白い。折れそうな華奢な手足をしている。
 関連するエピソード:虎に対して、弱くて小さくてしょうもないものの代名詞にされることが多い。強いてルーツをあげるとすれば、中国の笑い話集「笑府」より「一一七 贖身(身請け)」。
 ある家では牝犬を飼っていたが、雄犬どもが毎日通ってきてうるさいので、怒った主人が牝犬を煮て食ってしまった。翌日も雄犬どもが通ってきたが、主人は『この阿呆助ども、未練がましい真似はよせ。お妾さんはもう身請けされてしまったよ(煮えるという意味の「熟」と、身請けされるという意味の「贖」は音が似ている)』と言う。
 また「一一五 小さなお母さん(小娘)」に言う。牝犬と牛が交わって子を産んだ。その子に「両親はどちら」と尋ねると、牛を指して父、犬を指して母という。「こんなに大きなお年寄りと、こんな小さな娘さんが夫婦とはね」。老人と若い娘の結婚を風刺したものか。ていうか、犬と牛の子供って何?「五八 句読を誤る」の項も参照のこと。
 別にビッチでもなんでもないむしろ真面目な性格なのにビッチ呼ばわりされたり、何かと割を食ったりする気の毒な子。
 関連する詩句:「虎を画きて狗に類す(中国の故事)」「髪にジャスミンの花をかざし、飢えた虎のようにゆらゆらとゆく 高いヒールのサンダルを履き、チェッチェッと音をさせて…(ジャワの民謡『ソロ美人』)」
 パーソナルデータ:オオカミさんとは薄幸仲間。上記の笑い話と同じ状況になりかけたところを逃亡してきた、という経緯がある。何の因果か虎さんに気に入られ、いつか気まぐれで食われるのではないかと日々戦々恐々としている。虎がハグのつもりでも牝狗さんにとってはプロレス技で締められてるのと同然。いつかシアワセになれる日は来るのだろうか。どうでもいいがなんかジャスミンの匂いがするらしい。
 衣装のコンセプトは白アオザイ(ベトナムの女学生服。日本で言えばセーラー服的な存在)。雨とかで濡れるとすぐ透ける。胸のサイズは普通のはずだが、細身のせいでかなりボインに見える。ぼいんぼいーん。
by robin96 | 2008-10-10 22:26 | メモ
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